ビグアナイド薬(BG薬)

内科系

今回は糖尿病治療薬のビグアナイド薬についてです。2型糖尿病と診断されるとまず第一選択として使用される場面が多いため、目にする機会の多い薬だと思います。ただ乳酸アシドーシスという重篤な副作用を起こすリスクもあり、十分注意が必要な薬ですね。改めて、一緒に確認していきましょう。

ビグアナイド薬の作用機序

ビグアナイド薬には糖新生の抑制インスリン抵抗性の改善の大きく2つの作用があります。

空腹時など血液中の糖分(グルコース)が枯渇してくると、全身の脂肪や筋組織を分解し、肝臓で新たに糖(グルコース)を作り出すという働きが起こります。これを「糖新生」と言い、ビグアナイド薬はこの糖新生を抑制することで、血糖値の上昇を防ぐ効果が期待できます。

また、骨格筋や脂肪組織でのインスリンの感受性を改善し、インスリンが効きやすい状態にしてくれます。これを「インスリン抵抗性の改善」と言います。また他にも腸管からの糖の吸収を抑制することで、血糖値の上昇を抑えてくれる働きもあります。

ビグアナイド薬の一覧

一般名メトホルミンブホルミン
 

 

 

ビグアナイド薬の注意点

肝臓での糖新生は乳酸などの物質から行なわれますが、その働きが抑制されることにより、乳酸が増加します。通常であれば乳酸が増加した際には乳酸の代謝も増加するため、体内に乳酸が過剰に蓄積することはありません。ただ、肝臓での乳酸の代謝が追いつかないほど乳酸が増えた場合や、腎機能の低下に伴いビグアナイド薬を代謝する力が低下していると、「乳酸アシドーシス」と言われる状態が起こりやすくなります。乳酸アシドーシスとは、嘔吐や腹痛などの消化器症状や倦怠感、筋肉痛などの初期症状から始まり、循環不全や呼吸不全へと進行してく、致死率の高い疾患です。

そのため、CTなど造影剤を使用する検査の前後は休薬する必要があるので、施設のマニュアルを必ず確認しておきましょう。また脱水の際も腎機能が低下し、乳酸アシドーシスのリスクが高まるので非常に注意が必要です。利尿剤などを内服している場合や、シックデイの際には注意が必要となります。

まとめ

2型糖尿病治療の第一選択薬として選ばれることの多いビグアナイド薬。目にする事も多い薬ですが、注意しなければいけないことがいっぱいありますね。機序をしっかり理解し、臨床に活かしていけるように頑張りましょう。

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