とある学生へ手紙を書きました(コラム)

その他

看護学校の実習生が来てました。

在宅看護学実習の中でうちの訪問看護事業所に4日間。

実習も大詰めの最終学年の生徒でした。

そのとある学生が実習を通じ「訪問看護師になりたい」と思ってくれたようで、最終カンファレンスの後で少しお話しをしました。

ただ私ヘトヘトで全然頭が回ってなくて笑

うまく話せなかったので改めて手紙を学校に送ろうと思ったのですが、「熱量が高すぎて気持ち悪い」と思われては困るので笑

いつかたまたまその学生がこのサイトを見つけてくれることを願って手紙を残してみます。

以下手紙の内容です。

訪問看護師に魅力を持ってくれてありがとうございます。

私たちの仕事との向き合い方を見てもらって、それを〇〇さんに「いいな」って感じてもらえたのかななんて思って本当に嬉しかったです。

「訪問看護師になるためにはどんな経験が必要か」といった感じの質問をカンファレンスのあとで受けましたが、うまく伝えられなかった気がするので改めて文章にしてみました。

まず簡単に私が訪問看護師になるまでの経歴を話しますね。

内科混合病棟2年、整形外科病棟2年、手術室7年、消化器外科病棟2年

経験しています。

 訪問看護師になろうと決めたのは、〇〇さんと同じく実習の中で魅力を感じたからです。訪問看護ステーションでの実習最終日、施設長の方に「訪問看護師になります!」と謎の決意表明をし、「いや、今すぐなるのはやめた方がいいと思います。10年経験を積んでからまた考えなさい」と一蹴されたのを覚えています。

 上に書いた私の経歴をみていただくとわかる通り、看護師経験の半分以上を手術室で過ごしています。どう考えても訪問看護と一番関係のない部署です。でも手術室での経験も無駄ではなかったと思っています。

正直、訪問看護師を目指していたことを忘れていた時期もあります。色んな世界をみる中で、それぞれがやはり魅力的に感じ、どっぷりその世界に浸かっていました。色んな世界でただ漫然と日々を過ごすのではなく、その部署では一番スキルがある看護師を目指すくらいの気持ちでやっていました。その中で自分なりに思ったことですが、結局急性期であれ慢性期であれ、「安全・安楽」と言う考え方がブレることはありません。そして「安楽・安全」ではなく「安全・安楽」と言うように、安全が十分に担保されてはじめて安楽を考えることができると私は思っています。病院よりも「危険」がいっぱいの在宅で、いかに「安全」に、いかに「安楽」に過ごしてもらえるか。どこでどんな経験を積もうと、どっぷりその世界に浸かっていれば自然にその感覚が身についてくるような気がします。

 偉そうなことを言いましたが、学生時代は本当に勉強してませんでしたし、仕事してから今までずっと努力してきたとは言えません。失敗もいっぱいしています。それに色んな生き方がありますから、趣味や家庭に割くエネルギーが多い人もいれば、仕事に全振りみたいな人もいます。頭の中にある程度の遊びを持って、色んな経験を詰めればいいんじゃないかなと思っています。

 少し話が逸れますが、最終カンファレンスで〇〇さんも〇〇くんも「コミュニケーションの重要性に改めて気づいた」といった学びを発表してくれました。私もまだまだコミュニケーションスキルが高いと言える看護師ではありませんが、私なりにコミュニケーションスキルを磨く努力をいくつかしているので、お伝えしますね。

 ひとつは色んな世界をみることです。看護師と言う職業は専門性が高いですが、裏を返すと看護や医療といった世界以外のことには非常に疎いと感じています。よその世界を知らなくても仕事で困りませんから。ただ狭い世界しか知らないと幅が広がらないので、色んな本を読んだり、色んな人の話を聞くと言うことを意識的にやっています。情報は武器になります。色んな世界に目を向けることで、自然と色んな話ができるようになってくるかと思います。

 もうひとつは色んな人と話すことです。友人や家族ではなく、全く知らない人と話すと言うのはとても難しいことです。距離の詰め方や、相手がどんな話題なら乗ってくれるかなど、すごく頭を使います。何年か前からセミナーに参加した後は、講師の先生に名刺を持って挨拶に行くということをしています。色んなことを教えてもらえますし、コミュニケーションの訓練にもなりますし、その後メールでのやりとりが続いたりもするのでメールの書き方や、そこから新しい方を紹介してもらったりとすごく多くのメリットがあります。ただすごく疲れますけどね。

 なんとなく伝わったでしょうか。この先きっと色んな経験をすると思うので、訪問看護師と言う業種に囚われすぎることなく、色んな領域の経験を積んでください。そして働いていく中で自分のキャリアビジョンをもう一度考えてみるのもいいと思います。その時やはり訪問看護師になりたいと言う気持ちが強ければ、こっちの世界で待っています。

 残りの学生生活、そして国家試験、頑張ってください。応援しています。

 

改めて読み返すとすごい熱量笑

きもいと思われなきゃいいなと思ってます笑

コメント

タイトルとURLをコピーしました